新聞記事に見る横浜外国人墓地と山手1988~2002

SCRAP:新聞記事に見る横浜外国人墓地と山手1988~2002

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[追跡・神奈川]
横浜外国人墓地 
非公開墓域に日の目を

2002.05.30 毎日新聞社 地方版/神奈川

新たな観光スポットに──歴史上の人物も眠る 「横浜外国人墓地」(横浜市中区山手町)の美化を推進し、観光資源としての価値を高めよう―墓地を管理する財団法人「横浜外国人墓地」(ジョン・コモル理事長)は、墓地の大部分を一般公開することを視野に入れた整備事業を計画し、横浜市に対し継続的な資金援助を求めている。計画が実現すれば、歴史的価値がありながら、これまで市民や観光客が入ることができなかった墓域が日の目を見ることになる。【森田剛史】

 ■財政危機──同墓地は1854年、真言宗増徳院の境内に、船上事故で死亡したペリー提督艦隊の米人水兵1人が埋葬されたことをきっかけに、61年、江戸幕府神奈川奉行が、同寺院周辺を外国人専用墓地として貸与したことに始まる。 墓地の管理は1900年、外国人墓地管理委員会の法人化以降、同財団が行っている。現在は、墓地売却代金など2億数千万円の基金の金利運用や募金で年間2000万円弱の運営費をまかなっている。しかし、日本の寺院の檀家のようなものはなく、墓の8割以上が無縁仏ということもあり、かつては財政危機に陥ることもあった。■小沢征爾さんの支援──96年に、指揮者の小沢征爾さんが、ヴェラ夫人の両親が同墓地に埋葬されていることから、チャリティーコンサートを行った。小沢さんは「第2回横浜外国人墓地支援チャリティーコンサート」を7月5日、横浜みなとみらいホールで開く。 同財団のブラッカ・エドワードさんは「諸外国と近代日本の掛け橋となった人を紹介する責任を感じるが、資金が乏しく広大な墓地の清掃をするので手一杯で、限定的な公開しかできなかった。観光客が大挙して訪れても、垣根越しにしか墓地の内部をのぞけないのではもったいない」と話す。■生麦事件被害者も──

40数カ国4500人以上の外国人が眠る墓地は、土日、祝祭日に、山手本通り側の一部を一般開放するオープンハウスを行っているが、非公開となっている元町に面する区域にも多くの歴史上の人物が眠っている。 1862年に、生麦村(現在の横浜市鶴見区生麦4丁目付近)で起きた生麦事件は、翌年の薩英戦争のきっかけとなり、明治維新につながっていく。この事件の被害者、リチャードソンの墓もこの区域にある。■中田市長に期待──03年度末には元町と中華街の間の入り口に、市営地下鉄みなとみらい21線新駅が開設される予定で、山手地区へ至る観光ルートに多くの人が流れることが予想される。 墓地の現況の図面を作成し、整備事業の見積もりを行っている像建築設計事務所の臼井洋司代表取締役は「元町側通用門を修繕して開放し、正門まで散策できるルートづくりを考えている。そのためには、墓地が傾斜地に位置することや、大木がうっそうと生い茂っていることなど、安全上の問題を解決しなければならない」と話す。臼井さんは、路面の舗装や壁の修復などに掛かる費用を計上し、来月中にも予算化できるような資料を横浜市に提出する予定だ。 臼井さんは、地域資源を生かした新たな観光スポットづくりのための調査費を補正予算案に盛り込んだ中田市長に期待し、「MM21線開業後の山手地区の街づくりを考えると、市と墓地の双方に利益をもたらす計画だと思う」と話す。

荒れた外国人墓地を救え
小沢征爾さんら、
チャリティーコンサート

2002.07.06 地方版/神奈川

 小沢征爾さんと新日本フィルがチャリティーコンサート──世界的な指揮者の小沢征爾さんと新日本フィルハーモニー交響楽団が5日、横浜みなとみらいホール(横浜市西区)で「第2回横浜外国人墓地支援チャリティーコンサート」を開いた=写真。

 ベルリオーズの「幻想交響曲」とモーツァルトの「レクイエム」が演奏され、ホールを埋めた約2000人の聴衆は荘厳な調べに圧倒されていた.。   
 1854年、山手地区(同市中区)に築かれた同墓地は、日本の国際化に尽力した外国人たちが眠るが、財源に乏しく収入が不安定なことから財政危機に陥ることもあった。現在は、基金の金利運用や募金で運営しているが、散策路や壁が崩れ、うっそうとした大木が生い茂るなど荒れた場所が見られる。 
 財政難を知った小沢さんは、妻ベラさんの両親が同墓地に埋葬されていることもあり、1996年に無報酬で第1回のコンサートを開き、約1400万円の収益金を横浜外国人墓地管理委員会に寄付した。 
 寄付金は不要な樹木の伐採や除草、老朽化した焼却炉や物置小屋の解体などに使われた。今回も小沢さんの指揮料やホール使用料などが全額寄付される。 
 ウィーン国立歌劇場音楽監督就任を控えて多忙な中、公演を実現させた小沢さんは「以前、妻とお墓参りに訪れ、ロマンチックな場所だと思った。多くの人に関心が持たれ、問題を知ってもらえればよい」と話した。